私は自分も愛媛出身で、フェリーで奨励会に通っていたこともあるので、旅行者の気持ちは少しわかる。20歳で3級の頃だった。負けて帰るときの砂を噛むような味気なさと、田舎に帰ったとき将棋の知人や友人に「森、もう将棋を辞めて、母親のためにも働けよ」と言われて返す言葉もなくて、自分が情けないけど、踏ん張ったつもりでも将棋は勝てなかった。感情的なものは役に立たないのだ。


 普段から淡々と、日常的に黙々とノルマをこなしていくしかない。力んでもしょうがないのだ。自分を信じることも出来ないが、しっかり見据えて自分で堪えていくしかないと思う。

森信雄の日々あれこれ日記 2009年10月5日より。
森先生はいいことを言う。